NHK大河ドラマ「いだてん」主演の中村勘九郎さんが4日、東京・渋谷のNHK放送センターで報道陣の取材に応じた。視聴率が1桁台で低迷していることについて、中村さんは「自分的にはそんなに気にしていない」と語った。
ドラマは、中村さん演じる日本初のオリンピック選手、金栗四三の半生などを描く。3日の視聴率は関東地区で9・7%(ビデオリサーチ調べ)。前回より0・4ポイント上がったが、4回連続で1桁台となった。関西地区は8・3%だった。
中村さんは劇作家の三谷幸喜さんから、「数字(視聴率)は絶対に気にしないほうがいいよ」というメールが届いたことを明かした。気にしないとしつつも、「やっぱり多くの方に見てもらいたいなというのはあります」と述べた。
物語の主な舞台は、10日放送の第10回から、オリンピックが開かれた1912年のスウェーデン・ストックホルムに移る。マラソンに出場する金栗と、短距離選手の三島弥彦(生田斗真)は、文化の違いや他国の選手との体格差などに戸惑いながら、競技に挑む。
第10回、第11回の演出を担当したNHKの西村武五郎ディレクターは、「前半のクライマックス」だと表現。「若い2人が現地の人とどう交流して、そして戦っていくかを表現した。ストレートに感動していただけるような回になったのではと思います」
中村さんは、金栗を演じるまで「負けた悔しさっていうのをおぼえたことがなかった」と明かした。幼少期から演技に打ち込んできたが、「芝居は点数がつかないし、タイムもない。人それぞれが見て、どう思うかということで、自分の中でも評価はつけられない」ためだという。
だが、金栗が思うような結果を残せずに終わるシーンを演じたときは「本当に悔しかった。眠れないくらい」だったという。今後のドラマの展開について話が及ぶと、「とんでもないものができあっている」と表現。「負ける悔しさというのもしっかり描かれていると思うので、楽しみにしていてほしい」と語った。(真野啓太)