全国唯一の「りんご科」がある高校として知られ、今年度で閉校する弘前実業高藤崎校舎(青森県藤崎町)で3日、卒業式が開かれ、70年の歴史に幕を下ろした。
1948年に黒石高藤崎分校として開校。72年にりんご科ができ、リンゴ関連の産業に貢献してきたが、少子化などで生徒数が減り閉校が決まった。現在はりんご科のみで、最後の卒業生は男子11人と女子1人。6人が県営農大学校などに進学し、6人が就職する。
卒業証書を授与した福士広司校長は「最後の卒業生として地域を愛する気持ちを忘れず、しかしグローバルな視点で国際社会に貢献できる人間として活躍してほしい」と式辞。平田博幸町長は祝辞で、今年1月に生徒らから穂木50本を寄贈されたリンゴ「藤巧者」を近い将来、ふるさと納税の返礼品にして全国に発信すると約束した。
卒業生を代表してあいさつした福士昂季(こうき)君(18)は「私たち12名は最後の生徒として閉校を感謝で締めくくろうと誓い、一致団結してきた」と3年間の高校生活を振り返り、「『プライド・オブ・アップル・プレイス(リンゴの地に誇りを)』。学校のスローガンを胸に、今後の人生に生かしたい」と思いを語った。(佐藤孝之)