作家の白岩玄さん=名古屋市中区、上田潤撮影
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3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」です。男女格差が大きいとされる日本を、若い人たち、とりわけ女の子たちが、性別にとらわれず生きることができる社会に――。男女格差の問題は女性だけの問題ではないと言う、白岩玄さんは、「野ブタ。をプロデュース」で知られる作家です。昨年、「男らしさ」に違和感を覚えた経験から、小説「たてがみを捨てたライオンたち」(集英社)を出しました。育児を大切にしている白岩さんは「本当に守りたい人は誰ですか」と問いかけます。
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作家デビューした時は、21歳。芥川賞の候補作になり、テレビドラマ化もされた。身の丈に合わない社会的な地位やお金を手にしました。それまで、「生きにくいな」「相手にされないな」と思っていましたが、周囲の目の色は変わり、ちやほやされました。自分の力以上に強い「男性」になろうとして、無理をしてしまいました。
しらいわ・げん 1983年、京都市生まれ。2004年に「野ブタ。をプロデュース」で文芸賞を受賞しデビュー。男らしさをテーマにした近著は「たてがみを捨てたライオンたち」。
そのころから20代は、ずっと男らしさについて息苦しさを感じていました。小説が売れない時には、収入を気にしたり、強がるために女性に対し、上に立った物言いをしてしまったり。25歳のころ、この「男らしさ」というテーマを見つけて小説にしようと、思った時もあったのですが、書けなかった。なぜかというと、書くこと自体が弱さをさらすことになり、男のプライドに関わる気がしたから怖くて。稼ぎを気にしていることや、つい女性の上に立ってしまうことを言いたくないと思ったんです。
この悩みを整理できたのは、32歳の時に結婚したことが大きかったです。妻が「男らしさを気にしなくてもいいんじゃない」「稼ぎなんかどうでもいいんじゃない」というタイプの人でした。
実は一度20代で付き合って1…