JRや私鉄など全国1万駅の入場券を紹介する展示会が、津市の津博多郵便局で始まっている。津市の収集家、伊藤秀夫さん(71)が半世紀以上にわたって集めたもので、約30駅分ずつ、週替わりで登場する。8年ほどかけ、コレクションのすべてを披露したいという。
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郵便局の一角にある掲示板を利用した「日本列島一周 停車10000駅展」では、旧国鉄の硬券切符などが、駅の説明や写真、駅舎スタンプと一緒に紹介されている。毎週、路線ごとに入れ替えており、伊藤さんは「各駅停車の旅のように楽しめる」と話す。
展示は昨夏の北海道・宗谷線から始まり、東北・五能線と続き、主な路線を南下中だ。現在は東海道線で、静岡県内。まもなく名古屋入りする。所持している入場券をすべて紹介するには8年近くかかると考えている。
最初のコレクションは稚内駅(北海道)の入場券。熱心に切手を集めていた高校時代、友人から「こういうの集めるの、好きだろ」と譲り受けた。
伊藤さんは「北海道は外国のような存在だった。珍しいものを手に入れたと思った」と振り返る。それから入場券集めに火が付いた。
列車に乗り込む。駅が近づくと停車する前に飛び降りる。窓口で入場券を買い、発車しようとする列車に飛び乗る。津駅~尾鷲駅では、それを繰り返して紀勢線の入場券を集めた。乗車券は事前に購入したという。
一番の宝物は、新大阪駅が開業した初日の入場券だ。最初に発行されたことを示す「0001」の数字が刻まれている。高校生だった1964年、三重から大阪まで蒸気機関車を乗り継ぎ、開業前夜から窓口の前で新聞紙にくるまって夜明けを待った。この「お宝」も今後、展示する。
「1万駅」を達成したのは、つ…