2020年東京五輪でサッカーの競技会場になる宮城県が、4月から募集する都市ボランティアに、東日本大震災の記憶や復興の現状を伝える「語り部」枠を設けることがわかった。国内外から訪れる観客らに情報発信することで記憶の風化を防ぎ、伝承につなげるのが狙いだ。「復興五輪」をうたう大会の開幕まで、12日で500日になる。
都市ボランティアは大会期間中、空港や駅、観光地で国内外から集まる人たちに交通や観光の案内をする。被災自治体も含め、五輪やパラリンピックの競技会場になる18都県市町がそれぞれ募集したりしようとしているが、こうした取り組みは宮城県だけだ。
県によると、募集する1360人のうち90人を語り部枠にする予定。県の玄関口である仙台空港やJR仙台駅にブースを設け、訪れた人に自身の震災の記憶などを語ってもらう。応募対象は高校生以上。担当者は「幅広い世代に五輪にかかわってもらい、訪れた人に震災を知ってもらうとともに復興した姿を届けたい」と話した。(山本亮介)