瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」と各地の魅力を紹介する「瀬戸リスト」。新谷野々花さん(14)と三島遥香さん(20)の2人が、ベートーベン「第九」アジア初演の地、徳島県鳴門市で平和を願う歓喜の歌に挑戦した。
第九のアジア初演は捕虜が 新谷野々花さん、学んで一言
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「一番輝いてた」新谷野々花さん、お遍路支度は必然の青
瀬戸内を元気に! STU48の「瀬戸リスト」
地元のNPO法人「鳴門『第九』を歌う会」合唱指導者の大井美弥子さん(52)が、2人に第九のレッスンを開いた。「ドイツ語は難しそう」と心配する2人に、大井さんは「大丈夫。鳴門市では、幼稚園の子もドイツ語で歌っているんですよ!」。
まずは「ラーラーラー」と発声練習。三島さんは低めの声を大井さんから「素晴らしい」と褒められ、「ずっとアルト。三島家は代々、この声です」と上機嫌。2人はメロディーや強勢のポイントを確認していった。
続いてドイツ語の発音。カタカナで読みが付された歌詞の和訳と楽譜を手に、冒頭の「フロイデ」から順に声を上げていく。大井さんは「フロイデというのは、喜びという意味。これが第九のテーマなので、とても大事です」。「ルルルッ」という巻き舌や曖昧(あいまい)母音など、特徴的な発音を学んだ。和訳も朗読し、一節にある「すべての人々は兄弟になる」の意味もかみしめた。
2人は「音楽のテストみたいで緊張」しつつ本番に臨み、伸びやかな歌声を響かせた。三島さんは「歌では、いろんな人たちと仲良くなれそうだな」。新谷さんは「ドイツ語すごく楽しくて、日本語の歌よりも、うまく歌えるかなって思います!」と笑顔。普段から歌に取り組む2人にとっても楽しく意義深い第九「初演」となった。(中村律)