競泳の今井月(るな)さんやフィギュアスケートの紀平梨花さんら世界で活躍する女子高校生が増える中、相撲の超新星が岐阜で生まれた。大垣日大高校1年の大蔵紫音(しおん)さん(16)=岐阜県大垣市。15歳で重量級日本一、大人に交じって出た世界選手権で団体銀。世界一も視野に入る。
「並の圧力ではない」男子もたじたじ
「パッチーン」。ガレージの中にけたたましい音が響いた。身長162センチ、体重110キロの大蔵さんが男性選手に頭からぶつかり、激しく体をぶつけ合う音だ。土俵の外から飛ぶ「前出ろ、前」の声に押されるように、一気に押し出した。「立ち合いで頭から行って自分の形を作るのが私の相撲。押し出しで勝つのが理想」と話す。
相撲で最も重要だとされる立ち合い。頭からぶつかるのが基本だが、恐怖心を伴う。胸を出したり、両手で突く「もろ手」をしたりする選手も多い。
名門・日大で大相撲の佐ノ山親方(元幕内里山)らとしのぎを削り、実業団相撲でも鳴らした平山昭監督(36)は「頭からめいっぱいぶつかれるのがすごい。これができる女子選手はほとんどいない」と評価する。胸を真っ赤にしてぶつかり稽古の相手を務める品川雄飛君(17)は「押してくる圧力がものすごい。並の圧力ではない」と話す。
原点は10歳、高1で日本代表に
昨年の世界選手権では15歳で日本代表入りした。世界選手権は80を超える国や地域が加盟する国際相撲連盟主催の世界一を決める相撲大会。台湾であった今大会は日本、アメリカ、ドイツ、ロシア、ウクライナ、ブルガリア、モンゴル、ポーランド、タイなどから女子選手が集った。
世界選手権ではロシアが個人全…