青森県営浅虫水族館(青森市)で、飼育・展示されているエゾハリイカが腕でハートマークを作って雌に求愛する様子が今月、確認された。専門家は「非常に珍しい行動。(映像での)確認は聞いたことがない」。この求愛行動はその後も続いており、来館者の注目の的になりそうだ。
360度動画「いきもの目線」
飼育担当の桃井駿介さん(26)によると、求愛行動が確認されたのは8日。雄が短い2本の腕を器用に折り曲げて、頭の近くでハートのような形を作り、長い腕で雌の体をなでる。偶然目撃した飼育員がその求愛行動の一部始終を撮影した。
動画では、雄が約10分間にわたり雌にアピール。雄が腕でハートマークを作りながら雌の頭などをなでたほか、時折墨を吐いて雌の気を引こうとしているような行動も見られたが、最後は雌が立ち去りあえなくふられてしまった。
エゾハリイカは北海道南部から台湾にかけて生息しており、胴の長さは12センチほど。雄は頭から数えて2番目の腕が長いのが特徴だ。求愛行動を見せたイカは昨年末に外ケ浜町の定置網漁にかかったもので、現在は雄雌で計20匹ほどを飼育している。ハートマークを作る様子は飼育当初から確認されていたが、雌をなでながらの行動は8日が初めてという。
イカの生態に詳しい函館頭足類…