兵庫県尼崎市立中学2年の女子生徒(当時13)が2017年12月、「学校がしんどい」とメモを残し、自宅で自殺した。市教委の第三者委員会は学校でのいじめを認定し、教諭らの不適切な対応や、誤解に基づく理不尽な叱責(しっせき)が自殺に影響したとする調査報告書を18日に発表した。
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また、女子生徒の自殺後、学校が遺族の了解をとらずに生徒向けのアンケートを実施したほか、女子生徒の机にあった落書きなど、遺族が知るべき情報の開示が遅れたことを批判し、学校側の対応を「不十分」と指摘した。
市教委は同日会見し、いじめがあったことや教諭らの対応について全面的に謝罪。関係者の処分を検討している。
調査報告書によると、女子生徒は17年12月20日に自殺。「学校がしんどいです。もう無理です。たえられませんでした」というメモ書きを残した。
第三者委は、女子生徒がクラスで「ブタ」「きもい」「死ね」などと悪口を言われたり、部活動をめぐって同級生らからLINEで誹謗(ひぼう)中傷を一斉に書き込まれたりしたことをいじめと認定した。
女子生徒は学校のアンケートや複数の教諭にSOSを何度も発していたが耳を傾けてもらえず、自殺当日、教諭の一人から部活動内のトラブルを言いふらしているような誤解に基づく叱責を受けたという。第三者委は「生徒は学校そのものに絶望し、複合的な要因が絡み合って自死した」と結論づけた。