国内では57年ぶりに見つかった新種のナマズ「タニガワナマズ(学名=シルルス・トモダイ)」が20日から、北九州市立いのちのたび博物館で展示される。
滋賀県立琵琶湖博物館の学芸技師、田畑諒一さんが2016年に発表した論文で、通常の遺伝的特徴と違うナマズが見つかったことについて触れた。いのちのたび博物館の学芸員で、分類学が専門の日比野友亮さんがその論文を読み、「新種の可能性があるのでは」と田畑さんに連絡。両博物館で共同研究を進めて新種と特定し、2018年8月に学術雑誌に発表した。
中部地方の河川に生息している。ひげが4本生え、下あごが短く、腹部に斑紋があるのが特徴。最大約60センチにまで成長する。昨秋に企画展示を終えた琵琶湖博物館が、複数飼育しているタニガワナマズのうち1匹を今年1月、いのちのたび博物館に寄贈した。
北九州市で展示されるのは、三重県内で採集された体長20センチほどの個体。まだ小さいためか、慎重な性格で物陰に隠れるの好むという。担当者は「やさしく、気長に見守ってもらえたら」と話している。(吉田啓)