群馬県の安中市から高崎市にかけて広がる1150万年前の地層(安中層群原市層)で見つかった化石が、イルカの祖先のケントリオドン科の新種であると認定された。県立自然史博物館が20日発表した。新種の学名は発見者の中島一(はじめ)さん=安中市=にちなみ「ケントリオドン ナカジマイ」と命名された。国内でケントリオドン科の種が特定されたのは2例目。
化石は中島さんが20~40年ほど前に見つけた6点と、2002年に当時小学5年生だった会社員の北川道啓(みちひろ)さん=横浜市=が見つけた1点の計7点。自然史博物館の木村敏之学芸員と長谷川善和名誉館長が調べ、頭蓋(とうがい)にあるくぼみが大きいことや、反響によって位置などを知る機能をもった上あごの右側の骨の発達などから新種と判明した。中島さんが05年に博物館に寄贈した化石がホロタイプ(正基準標本)となった。
研究論文は、米国の古脊椎(せきつい)動物学会が発行する学術誌「ジャーナル・オブ・バーテブレート・パレオントロジー」のオンライン版に2月27日に掲載された。
ケントリオドン科はハクジラ亜目に属し、体長は2メートル前後。中新世後期(900万~500万年前)に絶滅したが、現在もこの仲間から派生したネズミイルカ科やマイルカ科が生息している。木村学芸員は「群馬は1千万年前は大海原だった。今回の発見でイルカ類の進化の過程が明らかになった」と話した。
中島さんは「碓氷川の河原が近…