1回戦を完封勝ちした高松商。チームは全員が香川県内の中学校の出身だが、なかでも、エース、主将、4番打者たちには「共通項」がある。元プロ野球選手が指導する同じ野球塾に通っていたことだ。
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25日、チームは市和歌山(和歌山)との2回戦に向け、兵庫県西宮市内で調整した。いずれも3年生で、主将の飛倉(ひぐら)爽汰君、初戦で4番を打った立岩知樹君らの姿もあった。
飛倉君や立岩君らが通っていたのは「高橋野球塾」。高松市を中心に、元プロ野球選手の高橋浩司さん(36)が小中学生の指導にあたっている。
高橋さんは志度を卒業し、2000年にドラフトでオリックスに入団。06年に引退後は、実家のあるさぬき市に戻った。漁師をしながら、近所の子に家の倉庫で野球を教えていたとき、県内の野球人口が減っていると聞いた。
故郷・香川のために、プロの経験を伝え、野球をする子どもを増やしたい――。10年に立ち上げた塾には当初、数人しか集まらなかったが、口コミで評判が広がり、今では140人の小中学生が通うという。
13年には、卒業を控えた中学3年生向けに硬式のコースを新設。すると、教え子が毎年のように甲子園に出るようになった。16年春の選抜大会に出た高松商では、主将と4番打者が元塾生で主力として活躍。準優勝を果たした。
現チームの飛倉君は、「打撃のタイミングの取り方やスイング、今でも参考になることを教わった」と振り返る。
立岩君は高校入学前まで、投手と野手を兼ねていた。高橋さんに「打者なら県内でトップクラスの選手になれる」と言われ、野手になると決めた。エースの香川卓摩君(3年)や、左翼手の岸本将翔(まさと)君(3年)らも元塾生という。
高橋さんは「卒業生の活躍を見るとうれしいし、自分もがんばろうと思える。一つでも多く勝ち、香川の野球を盛り上げてほしい」と話している。
2回戦は28日第2試合(午前11時半開始予定)。(小木雄太)