濃尾平野の西端、岐阜県揖斐川町と三重県桑名市を結ぶ養老鉄道(本社・岐阜県大垣市)は4月27日、全線開通100年を迎える。節目の年に、会社は100の記念企画を実施すると発表した。無謀とも思える挑戦には、地域の鉄道としての将来に向けた責任と覚悟が込められている。
テツの広場
社長「鶴の一声」で年内100企画に挑戦
「全線開通100年を記念して年内に100の記念企画を実施する」
今年1月、養老鉄道は大きな目標を掲げた。単純計算で3日に1本は記念企画を実施しなければならない。「本当にできるのか」。当初、社員も不安を覚えた一大プロジェクトは、トップダウンで始まった。
発案者は原恭社長。表明時、進める企画はほとんど決まっておらず、まさに「走りながら考える」状態。「過去の企画を掘り起こしたり、社内全体にアイデアを募集したりしながらやりきりたい」
第一弾は京急電鉄(本社・東京)とのコラボ企画。1月21日に開業120周年を迎えた同社と一緒にスタンプラリーなどをしている。
養老鉄道の路線は1919年に当時の養老鉄道(現在の会社とは別)が全線開通させた。その後、近鉄養老線になり、2007年10月に今の養老鉄道が運行を引き継いだ。京急と、前身の養老鉄道の設立者は、いずれも今の岐阜県大垣市出身の故立川勇次郎氏。節目の年、新たな100年に向かって走り出す現在の養老鉄道の心意気がゼロから出発した設立者と重なる。
「公有民営」で黒字に
100への挑戦には、攻めの姿…