中国通信機器世界大手の華為技術(ファーウェイ)は29日、2018年12月期決算を発表した。売上高は7212億人民元(約11兆9千億円)で前期より19・5%増。純利益は前年比25・1%増の593億元(約9800億円)だった。次世代通信規格「5G」が世界で本格展開していく今期は同社にとって稼ぎ時だが、米国は華為の通信機器がスパイ活動に使われる恐れがあるとして各国に排除を呼びかけており、先行きに暗い影を落とす。
売上高を押し上げたのは、米アップルを抑えて出荷台数で世界2位に躍り出たスマートフォンだ。独ライカと共同開発したカメラ機能を搭載する高級機「P20プロ」などは、日本でも販売が好調。消費者向け端末事業の売上高は前年比45・1%と大幅に上昇し、3489億元(約5兆7千億円)に。同社の事業分野でみても、通信事業者向けネットワーク事業を抑えて最大の事業に躍り出た。
華為は競争力確保のため、毎年売り上げの1割以上を研究開発への投資にあてている。世界で最も国際特許を申請した18年の場合、売上高の14・1%にあたる1015億元(約1兆7千億円)をあてた。
ただ、米国が他国に華為のリスクを警告し、排除を求めたのは昨年後半。事態が表面化する契機になった孟晩舟(モンワンチョウ)・副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕は12月で、「米国リスク」が18年の経営に与えた影響は軽微だったとみられる。華為の正念場は5Gの導入が世界で本格化する19年だ。
同社の郭平・輪番会長は29日…