作家の三島由紀夫(1925~70)が、割腹自殺する約2年前に「現代青年論 “弱い父親”への反逆」と題したエッセーを残していたことがわかった。青年には自己処罰の欲求がある、青年は今も昔も「自分は決して人に理解されない」と信じている、などと三島独自の若者論が書かれている。5日発売の文芸誌「新潮」に掲載される。
エッセーは400字詰め原稿用紙約7枚分。69年1月1日に京都新聞、新潟日報、北国新聞など一部の地方紙に掲載されたが、単行本や全集には未収録で、専門家にも存在を知られていなかった。大阪大学の斎藤理生(まさお)准教授(日本近代文学)が京都新聞の文芸欄を縮刷版で調べていて今年1月、偶然見つけた。三島の全集には同じタイトルのエッセーがあるが、内容は異なっていた。
三島は当時、学生たちと陸上自…