「世界一髪の長い10代」として昨年3月、ギネス世界記録に認定された鹿児島県出水市の川原華唯都(けいと)さん(18)が2日、生まれた時から伸ばしてきた黒髪に初めてはさみを入れた。髪を医療用かつらに寄付するヘアドネーション。「私の髪で少しでも明るい気持ちになってもらえれば」と、半分以上をカットした。
「世界一髪の長い」高3、寄付決めた胸の内 両親との絆
ギネス記録となった昨年3月時点の長さは155・5センチだったが、現在は170センチを超えている。これまで三つ編みにしたうえで、さらに二つ折りにして過ごしてきた。
生まれて間もなく頭の皮膚にあざができる脂腺母斑が見つかり、その手術でできた傷を隠すために髪を伸ばした。父雄一さん(49)が「わが家のルーチンワーク」という連係で手入れを続けた。母みゆきさん(47)が洗って雄一さんが乾かすのが日課。兄の快人さん(22)も手伝った。
川原さんは一昨年夏、タレントのダレノガレ明美さんが自ら髪を切ってSNSでヘアドネーションを呼びかけているのを知り、自分も寄付を、と思うようになった。家族の絆のもとにもなっていた髪だったが、ギネス記録を「ずっと残る大きな思い出」として髪を切る決意を固めた。
ヘアドネーションを手がける出水市の美容室での生まれて初めてのカット。両親らが見守る中、背丈よりも長かった黒髪はあっという間に背中の真ん中ほどの長さに。美容室の店長に促されて雄一さんがはさみを入れると、みゆきさんが「いやぁ、切ったあ」と声をあげる場面も。川原さん自身もサイドの髪を切った。切られた髪は全体で100グラムを超えた。雄一さんは「これでルーティンも卒業」と感慨深げだった。
川原さんは、この春から県外の…