高齢者の死因で上位を占める誤嚥(ごえん)性肺炎に対して福岡市の特別養護老人ホームが施す予防の取り組みが成果を上げ、注目されている。肺炎で苦しむ人が減り、施設の収入は増え、医療費の削減にもつながった取り組みの秘密とは――。
誤嚥性肺炎は、雑菌まじりの唾液(だえき)が肺の中に入ることで起きる。厚生労働省の人口動態調査(2017年)によると、肺炎は85~89歳の死因で3番目に多いほか、65歳以上のいずれでも5番以内に入る。その多くが誤嚥性とみられる。
口内の雑菌を減らす、誤嚥しないように飲み下す機能を維持するといった口腔(こうくう)ケアが予防として有効だ。
福岡市西区の特別養護老人ホーム「マナハウス」(69床)は17年9月から、「誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト」に取り組む。
1日3回の歯磨きとは別に介護…