受験シーズンが終わり、各地で入学式が行われている。今年の大学入試の特徴の一つは、都心の女子大の多くで志願者が増えたことだった。人気の背景にあるのは、実践的な分野を学べる学部が増えたことや、大規模私立大の入学定員厳格化に伴う「安全志向」のようだ。(横川結香)
2日昼、東京都世田谷区で開かれた昭和女子大の入学式には約1500人の新入生と保護者が出席した。かつて、内閣府男女共同参画局長も務めた坂東真理子総長はあいさつで、決まったばかりの新元号にも触れ、「みなさんが新しい令和時代を開いていきます。令和日本をつくるのは、あなたたちです」と期待をこめた。
同大の志願者はこの数年、伸び続けている。今年は1万2993人と昨年から917人増え、過去最高に。1526人の定員に対して、8・5の倍率となった。志願者増の理由として大学が挙げるのは、英語で経済を学ぶグローバルビジネス学部(2013年度開設)や、海外への留学が必修の国際学部(17年度開設)といった新学部の存在だ。アドミッションセンターの担当者は「時代のニーズに対応する実学志向、キャリア形成を重視した結果、大学の認知度が高まっている」と話す。
他の女子大も今年、志願者が増えた。大手予備校の駿台の集計によると、3月23日までに志願者を公表した首都圏の17女子大のうち、12大が昨年より増えていた。駿台教育研究所の石原賢一部長は「理由の一つは、グローバルやビジネス、情報系の学部に力を入れるなど、若い人に興味を持ってもらう努力を続けていることだ」と分析する。
理由のもう一つは「安全志向」…