米ニューヨーク中心部のマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で6日夜、新日本プロレスが初めての大会を催した。MSGは「世界で最も有名なアリーナ」を自称し、「格闘技の聖地」とも呼ばれる。ジャイアント馬場やアントニオ猪木ら日本人選手もこのリングに立ったが、日本のプロレス団体が興行を主催したことはなかった。
約1万6千枚のチケットは発売当日に完売。会場の9割以上が現地ファンで埋まった。引退を発表したばかりの獣神サンダー・ライガーや2000年代の低迷期を支えた棚橋弘至、現代のエース、オカダ・カズチカといった著名選手らが次々と登場。そのたびに、会場から拍手と選手名の連呼が起きた。
新日本はファンの裾野を広げようと、ここ数年、海外で積極的に活動している。菅林直樹会長は取材に「やっとここまできた。これが本格的な世界進出の第一歩だ」と述べた。今後は海外で選手を育成する道場を開く構想もあるという。
現地に住む飲食店従業員、アンドレ・バーネットさん(30)は手作りのチャンピオンベルトを右肩にかけて観戦し、「新日本の魅力は、『相手を負かしてやる』という選手たちの強い思いだ。いつか日本でも試合が見たい」と語った。(ニューヨーク=藤原学思)