2020年東京五輪・パラリンピックで、日本の着物をアピールしようという動きが進んでいる。200以上の国・地域をイメージした着物を作る「キモノプロジェクト」。関係者は、開会式で披露したいと願っている。
プロジェクトを主宰するのは、福岡県久留米市で呉服屋を営む高倉慶応(よしまさ)さん(50)。呉服小売市場規模は、09年に3420億円だったが、17年には2710億円と減少(矢野経済研究所調べ)。着物産業は下火だが、東京大会を機に着物文化を世界に発信し、着物の良さを見直してもらおうと、14年に一般社団法人「イマジンワンワールド」を立ち上げ、企画への賛同を呼びかけた。
手始めにブラジル、南アフリカ、リトアニア、ブータン、ツバルの5カ国をイメージした着物を作った。ブラジルは現地の生糸を使い、コーヒーの花などをモチーフにした。ツバルは温暖化で海に沈みそうな島として海や花、リトアニアはビザを発給して大勢のユダヤ難民を救った杉原千畝氏の執務室をあしらった。
SNSなどで情報発信するうち評判を呼び、昨年は福島で開かれた太平洋・島サミットでも着物の一部が披露された。企業からもスポンサーがついた。振り袖と帯など1セットの制作費用は約200万円で、200着以上作るには4億円以上かかる。すでに約180カ国・地域分を手がけており、残り23着、4600万円の寄付を募る。
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