韓国による日本産水産物の禁輸について、日本政府は世界貿易機関(WTO)の上級委員会から事実上の「敗訴」を言い渡された。勝訴を見越していた政府には衝撃が広がる。関係悪化で韓国との協議の見通しは立たず、他国・地域にも規制緩和を求める算段も狂った。
被災地の漁師「廃業が続く」 WTO、韓国の規制容認
「えっ、本当に?」
11日午後9時ごろ、東京都内でスマートフォンを手にした日本政府関係者は目を見開いた。このころ、日本政府には約3時間後の正式公表前に、内々にWTOから報告書が示されていた。外務省と水産庁では、担当者が幹部の部屋を駆け回る物々しい雰囲気になった。
「一部は負けているようだ」と…