島根半島(松江市、出雲市)沖の定置網に大量のハリセンボンがかかり問題になっている。島根県によると、2月中旬から県東部の定置網に入り始め、4月も続いているという。
19トンと5トンの2隻の定置網漁船を持つ「笠浦大敷網漁業」(松江市美保関町)は、3月だけで約58トンのハリセンボンが定置網にかかった。これまでも冬場に増えることはあったが、余村義治社長(69)は「ここまでは経験したことがない。明らかに異常」と話す。
同社によると、ハリセンボンの針によって、網にかかった魚の表皮がはがれて商品価値が落ちたり、網の中で死んで鮮度が落ちたりする被害が出ているという。業者に有償で引き取って処分してもらっている。
県水産課によると、ハリセンボンによる漁業被害が報告されているのは松江市島根町や出雲市の平田町、大社町などの漁港。ハリセンボンは暖流の影響で近海まで流れ着いたと見ているが、例年より多い原因は不明という。(市野塊)