新幹線のトンネル内での携帯電話利用に向け、総務省東北総合通信局が対策工事への補助金交付を決めた。これで2020年度には東北・北海道新幹線(東京―新函館北斗間)と秋田新幹線(盛岡―秋田間)の全トンネルで、携帯電話が使えるめどが立った。
山形新幹線は未対策の区間が残り、工事完了の時期は見通せないという。
同局によると、路線別の事業費は、東北(七戸十和田―新青森間)が約3億円、山形(福島―米沢間)は6億5千万円、秋田(雫石―田沢湖間)は約11億円、北海道(新青森―木古内間)は約17億円。
携帯電話会社などでつくる移動通信基盤整備協会(東京)が事業を進め、国がその3分の1を補助する仕組みだ。通常では携帯基地局からの電波が届かないため、トンネル内にアンテナなどを置く大がかりな工事となる。
3月末現在、東北新幹線は東京駅から、七戸十和田駅(青森)の手前までの区間で、NTTドコモなど大手3社の携帯電話の通信ができる。同協会の担当者は「着実に工事を進めて、早期に新幹線の全線でサービス提供ができるように努めたい」と話す。(志村英司)