茨城県つくば市の「つくば牡丹園」が、育てた新しい種類のシャクヤクを、新元号にちなんで「令和」と命名した。白と淡いピンクが交ざった色合いで、細くとがった花びらが特長。命名した園長の関浩一さん(58)は「シャープな姿が、新しい時代を厳かな雰囲気で迎える気持ちに合う」。5月中旬に見ごろを迎えるという。
つくば牡丹園の敷地面積は2万坪。毎年4月から5月にかけ、里山に800種類のシャクヤクとボタン計6万株が咲き誇る。園長の関さんは交配による新しい花の開発も取り組み、シャクヤクだけで約80種を生み出している。今回、約10年がかりで開発し、2016年から安定して開花を続けている花を「令和」と名付けた。現在3株あり、来月上旬に咲き始めて2週間ほど楽しめるという。
都内の不動産関係の会社に勤めていた関さんは、平成が始まった1989年、おじがかかわっていた牡丹園のオープンに携わった。93年ごろに会社を退職し、独学で堆肥(たいひ)作りの方法を学び、花作りに本腰を入れて取り組むようになった。
最近では、漢方薬として使われているシャクヤクの葉や茎の効能に注目しており、現在は東京農工大の大学院(連合農学研究科)の博士課程に在籍して研究を進めている。
平成の30年間を花作りに捧げたが、ずっと順調だったわけではない。91年から3年間は植物の病気に悩まされ、1年間で高額のボタン約500株を失った苦い経験もある。酵素を用いて独自の土壌改良を進め、94年に3千株だったボタンを1万株に、500株だったシャクヤクを5万株にまで増やした。
いま、常陸太田市の団体と協力…