米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民約3400人が、国に騒音の差し止めと損害賠償などを求めた「第2次普天間爆音訴訟」で、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は16日、差し止めの訴えを退けた。国に約21億2160万円の損害賠償を命じたが、一審が認定した健康被害を認めず、賠償額も減らした。判決は、騒音の差し止めについて、一審判決を踏襲し「国は米軍機の運航を規制できる立場にない」として認めなかった。
「全面的な飛行停止は難しくても、夜間だけでも認めてほしかった」。米軍普天間飛行場の滑走路から470メートルほどの場所で暮らす宜野湾市の原告、呉屋達巳さん(44)は、判決を受け、そう語った。
生まれも育ちも宜野湾。飛行場とは隣り合わせの生活だった。
騒音にさらされるその環境を「異常だ」と強く意識し始めたのは、子育て世代になってから。中学1年から4歳の3人の子が幼い頃に寝かしつけようとする時間帯にも、米軍機は離着陸した。
常駐していない戦闘機が来て爆音を立てる時には、子どもが怖がって抱きついてきた。「幼くて何もわからない時に(米軍機に)脅かされている」。2012年の提訴に加わった。
16年の一審判決後の17年1…