1958年の市制施行以来、女性市議が一度も誕生したことがない鹿児島県垂水(たるみず)市の市議選には、新顔女性2人が立ち、このうち元税理士事務所事務員の池田みすず氏(45)が初当選した。女性の政治進出に長年立ちはだかった「見えない壁」を乗り越えた。
人口約1万5千人のまちで行われた市議選。定数14に対して17人が挑んだ選挙戦で、池田氏は696票を獲得し、3位で当選した。
21日午後10時過ぎに当選確実と伝えられると、集まった支援者と抱き合って喜び、「今までにない女性目線で、思いやりとぬくもりを実感できる社会づくりに頑張っていきます」と抱負を述べた。選挙戦では、税理士事務所などに勤務した経験を生かして市の財政健全化を目指すと主張した。
女性の立候補は20年ぶりで、2人が立ったのは初めて。過去には4人の女性が立候補したが、いずれも落選していた。県内の女性市議らでつくる「鹿児島県内の女性議員を100人にする会」(代表=平神純子・南さつま市議)の調査によると、女性市議がかつて存在したことがない市は、全国で垂水市だけという。
同市では、市議を「集落の代表…