女性市議が初めて誕生することが決まった鹿児島県垂水(たるみず)市の市議選(14日告示、21日投開票)をめぐり、自民党の川越信男市議(66)が告示前、女性市議について「やりにくい。下手な言葉を言えば、セクハラ・パワハラと言われる恐れもある」と語っていたことがわかった。民放番組で22日夜、コメントとして放送され、批判が集まった。
テレビ朝日の報道ステーションで同市議選を特集した際に放送された。川越氏は「期待はないね。かえってやりにくいと思う」とコメントしたうえで、セクハラ、パワハラと指摘を受ける可能性に言及した。
女性議員、ついに誕生 垂水市議選「見えない壁」越えた
初の女性市議誕生でも、なお残る「女のくせに」 垂水市
川越氏によると、取材を受けたのは先月で、「女性市議が誕生したら」という趣旨の質問に答えたという。
発言に対し、ツイッター上では「男尊女卑は未(いま)だ凄(すさ)まじい」「これでは女性が全部出て行って市が潰(つぶ)れても自業自得」といった批判が相次いだ。市役所にも苦情が複数寄せられたという。
川越氏は23日、朝日新聞の取材に対し、「悪気はなかった。ちょこっと言ったことが大きくなっている。悪かったのであればおわびをします」と語った。
党県連会長の森山裕衆院議員は番組を見てはいないとしながらも、「極めて遺憾。事実であれば厳重に注意する」とした。
同市議選には定数14に女性2人を含む17人が立候補し、女性1人が当選した。川越氏も3選した。(野崎智也)