千葉県内では統一地方選後半戦の3市長選と19市町議選が21日投開票され、4年間を担う市長・議員の顔ぶれが出そろった。このうち3市議選では、同姓同名の候補者のほか、1票未満で明暗が分かれたり、定数内の得票順位の候補者が当選できなかったりという珍しい事態が起きた。
勝浦市議選(定数15)では、立候補した17人の中に同姓同名の男性が2人いた。ともに元市職員の鈴木克己氏。現職(64)は3選を果たし、新顔(60)は落選した。選挙戦では名前で区別がつかないため、市選挙管理委員会は大字(おおあざ)名での区別を想定。2人は、投票時に名前の前に大字を書いてもらうよう「お願い合戦」を繰り広げた。
開票結果は、当選した鈴木氏は788・869票、落選した鈴木氏は241・130票。公職選挙法では、同姓や同名の候補がいるなどした場合、候補者が一人に特定できない票(案分票)はその候補同士で有効な得票の割合に応じて配分される。勝浦市選管によると、名前だけが記載されて判別できない39票が案分された。市幹部は「2人合わせて約1千の得票があるなかで、案分が39票とは少ない」と話す。
3選を決めた鈴木氏は、「(大字の)うえのを連呼して、得票も前回(526票)から200票以上伸びた。珍しい事態で有権者の関心が高まったのだと思う。期せずして勝浦が注目されて良かった」と語った。
1票未満の得票差で当落が分かれる選挙もあった。銚子市議選(定数18)では25人が立候補して、得票数が18番目の石上允康(いしがみ・みつやす)氏(73)が904・474票で当選し、19番目の男性候補(74)は904票で落選した。
銚子市選管によると、候補者には石上氏のほかに別の「石上」姓や「石神」姓がいて、「石上」(9票)や「いしがみ」(4票)と書かれた票が案分された。市選管は「市内であったこれまでの選挙で、1票未満の票差で当落が分かれたのは初めて」という。
成田市議選(定数30)では、…