ひきこもりの人たちを支援してきた京都市東山区の山田孝明さん(66)が3月、活動をまとめた「親の『死体』と生きる若者たち」(青林堂、税込み1512円)を出版した。引きこもりの子とともに年を重ねていく親。親子の生の声を多く紹介している。
内閣府は3月、40~64歳の「中高年ひきこもり」の人たちが全国で61・3万人いるとの初の推計を公表した。人数でみると京都市の人口の約4割にあたる規模で、青少年や若者だけの問題ではないことが浮き彫りになった。80代の親が50代の子の面倒を見るケースも目立っており、「8050(はちまるごーまる)問題」とも呼ばれる。
山田さんは30年近く、関西各地でひきこもる当事者や家族の支援にあたってきた。2017年には40、50代のひきこもりの子と暮らす親たちが悩みを語り合う家族会「市民の会 エスポワール」を発足させ、8050問題のサポートにも力を入れる。
経験をもとに、「学校や会社に居場所を見つけられない人は必ずいる。そんな人にもっと光を当てなければ」との思いで執筆を始めた。実態を知ってもらおうと、できるだけ当事者の声や手記を盛り込んだ。
13年間、自室にひきこもった…