米国で発覚した大規模な大学不正入学事件をめぐり、中国人富豪が娘の進学のため、主犯とされる進路指導業者側に650万ドル(約7億2千万円)を支払っていたと米メディアが報じた。桁違いの高額で驚きをもって伝えられているが、母親は「貧しい学生の奨学金などに当てる正当な寄付と考えていた」と訴えているという。
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支払ったとされるのは、中国の製薬会社「歩長制薬」の会長を務める趙濤氏の一家。娘の進学に当たり、カリフォルニア州で進学指導会社を経営し、不正を主導したとして起訴されたシンガー被告に支援を依頼。被告はスポーツ推薦枠を悪用するために娘をセーリング選手と偽る書類を用意し、娘は2017年に難関のスタンフォード大に合格していた。
母親が香港の弁護士を通じて出したとされる声明によると、娘の合格決定後、シンガー被告から同被告の基金会を通じて大学に献金するよう打診があり、奨学金などと考えて650万ドルを支払ったという。「事件の報道を見て利用されたことに気がついた」とし、娘も被害者だとしている。趙氏一家は現時点では罪に問われていない。
娘は結局、スポーツ推薦枠ではなくスタンフォード大に入ったが、「提出書類に不正があった」との理由で3月の事件発覚後に退学処分となった。大学側は「シンガー被告や家族側から650万ドルを受け取っていない。被告の基金会を通じて3人からセーリング部に77万ドルの寄付があった」としている。寄付は合否判定に影響していないという。
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