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50秒の映像、黒塗りに 五輪熱の裏で広がる自粛の空気

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-5-4 10:46:56  点击:  切换到繁體中文

 

「みる・きく・はなす」はいま 通わぬ言葉


映像作家の吉開(よしがい)菜央さん(31)はやりきれない思いでいる。昨年6月、自らの作品「Grand Bouquet(グラン・ブーケ)」の一部を黒く塗りつぶし、東京都内の美術館のメディアアート展で公開した。苦渋の選択は、施設を運営するNTT東日本から「不快な表現があり、公開できない」と迫られたためだ。理由の一つとして「東京五輪・パラリンピックを控え、障害者への配慮に欠ける」とも告げられた。


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「みる・きく・はなす」はいま


米津玄師(よねづけんし)さんのヒット曲「Lemon」のミュージックビデオのダンサーとしても知られる。今回は、性被害に声を上げる「#MeToo」運動に触発され、監督として手がけた。


1人の女性が黒い塊を前に声を出せず、美しい花を吐き出す。打ちのめされて肉体は飛び散るが、土にかえり、豊かな森の映像が続く。勇気ある発言が多くの人々の背中を押すというメッセージを込めた。NTTの関連会社との共同企画で、見る人に風や振動も感じてもらう。


問題とされたのは、女性の指がとれ落ちる様子や肉体の描写だ。NTT東日本広報室は「様々な来場者が想定される。企業が運営する施設である以上、不快にさせる可能性があれば原則的に変更をお願いしている」と説明。「弊社が東京五輪のゴールドパートナー(大口スポンサー)であることもある」とも話した。アーティストに作品内容の修正を求めたのは、初めてだったという。


吉開さんは見てもらうための工夫を提案したが、聞き入れられなかった。約15分の映像作品のうち、計約50秒が真っ黒になった。


NTT東日本に問題だと指摘された表現は、自身にとって、声を発する人の苦悩を自分事として捉えてもらうための大事な描写だ。


NTT側に手紙で各シーンの狙いを説明した。少しでも多くの人に鑑賞してもらう工夫はできるはずだと考え、鑑賞者に年齢制限を設ける、気分を害する可能性があることを事前に説明して同意を得た上で見てもらう、などと重ねて提案した。


だが、聞き入れられなかった。ならば公開しないことも検討したが、不十分でも作品の意図をくみ取ってほしいと思った。指摘を受けた計約50秒の映像を真っ黒に消し、ほかの場面で女性の指にぼかしを入れ、NTT側の了承を得た。


「問題とされた部分も含め、見てもらうことで、いろんな感想がうまれたと思う。それを語り合う機会を奪われたのが悔しい」


東京五輪を前に、高まる機運を損なってはいけない。そんな自粛の空気が広がっていると感じる。「黒塗り」を除いた完全版は、5月中旬からのカンヌ国際映画祭監督週間に出品される。


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意見を述べたら、思わぬ反応が待っていた。


元ラグビー日本代表で大学教員…



 

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