鳥取県立米子東高校(米子市勝田町)の敷地内に今春、県西部の浪人生らを受け入れる予備校「勝田ケ丘(かんだがおか)志学館」が開設された。同校の同窓会やPTAの役員らでつくるNPO法人が運営。地元に残って大学受験の再チャレンジを目指す浪人生を後押しする。
志学館は4月3日に開校。選抜試験(定員50人)を経て、米子東高を中心に県中西部の高校を卒業した32人が1期生として入館した。授業料は年間50万円、入館料は3万円で、ほかに模試代や教材費として数万円程度がかかる。校舎は同校敷地内にある同窓会館を活用している。
志学館の1日は午前8時に始まり、平日は午後7時、土日は午後6時まで授業や自習が続く。休みは年末年始とお盆休みのほかは月に1、2日程度だけ。国語、数学、英語、理科(理系のみ)は進学指導の実績のある元高校教師らが教壇に立ち、その他の教科は有名予備校の講義動画を活用している。
米子東高を卒業した牛田穂乃香さん(18)は講師陣の評判を聞き、経済的な負担も考えて入館を決めた。「最初はスケジュールがきつかったが、いまは慣れてきた。自分の意志の弱さもあって浪人になったと思うので、どうしても勉強しなければならない環境があるのは私にとってはいい」。現役時代に受験した大学より難易度の高い国立大医学部を目指しているという。
同じく米子東高出身で医学部志望の野津佑真さん(18)は「各教科ごとに適切な勉強方法から学べる。規則正しい生活習慣が自然に身につき、受験に向かって仲間と一緒に頑張れる一体感があるのもいい」と学習環境の良さを実感している。
もともと米子東高には1960…