1994年、「いじめ」が社会問題となった。愛知県西尾市の中学2年、大河内清輝さん(当時13)が同年11月、遺書を残して命を絶った。同級生に川に沈められるなど暴行を受け、何度も家のお金を脅し取られていた。あれから24年あまり、いじめはなくなっていない。「令和」を迎えても克服できない現状について、父の祥晴(よしはる)さん(72)に聞いた。
――清輝さんについて聞かせてください
本当に優しくて手のかからない、自分で考えて自分でなんとかしようという子でした。
(家から)お金がなくなっているなっていうのは気づいていて、でも本当に恥ずかしいんですけど、子どもが同じ子どもからお金を取るっていう発想は、なかったです。いじめというものがどういう形で行われているのか、子どもの社会でどんなことが起きているのかということに、あまりにも無関心な親でした。知っていたら、彼の思いに気づいてやれたのかなって。
子どもがどんな状況にいるのか、親は知らなきゃいけない。教えてもらおうっていう姿勢があれば、子どもたちを見る目も変わってくる。それが反省です。
――清輝さんが亡くなった後、同じように苦しんでいる子に向けてメッセージと住所を公開した
亡くなった後、その影響か福島…