野生のサルを餌付けしている大分市の高崎山自然動物園。今年初めて生まれた赤ちゃんの名前が「レイワ」に決まり、10日の命名式で発表された。毎年、折々の話題にちなんだ名前をつけるのが恒例で、レイワは公募1691票中369票を集めて1位、2位も100票の「レイ」だった。
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その年初めて生まれた赤ちゃんザルの名前は、1984年から時事ネタにちなんだものをスタッフが命名。2013年からは公募で決めるようになった。
今年、大分県内でも試合があるラグビーワールドカップにちなんだ「トライ」(72票)、「ラグビー」(15票)も人気。引退した「イチロー」(39票)、活動休止が発表された「アラシ」(10票)、米津玄師さんのヒット曲「レモン」(6票)もあった。
レイワはメスで、B群のメス「キュート」(20歳)の12番目の子。「気が強い」という母の胸にしっかり抱かれ、おっぱいを飲んだり、眠そうな様子で目を閉じたりしていた。
命名式では、名前が書かれた垂れ幕が用意され、ひもについたサツマイモをサルがジャンプして取ると、「レイワ」の文字が出現。職員の嵯峨(さが)由朗さん(43)が「名字が似ている」というだけで官房長官に扮し、元号風に発表した。サル芝居ならぬ小芝居を終えた嵯峨さんは、「失笑でも笑いがとれてよかった」とほっとした表情を見せた。
サルたちの出産は8月ごろまで続き、今年も前年並みの約140頭が生まれる見込みだ。(寿柳聡)