重い心臓病の男の子が米国での移植手術を望み、家族らが寄付を募ったところ、インターネット衣料品通販大手「ZOZO(ゾゾ)」の前沢友作社長の呼びかけもあって短期間で目標額に達した。だが、ネット上では「同じような子がたくさんいるのに不平等では」との指摘も。両親は様々な声があることに理解を示しながら「移植の実態を考えるきっかけにしてもらえたら」と話す。
男の子は都内在住の上原旺典(おうすけ)ちゃん(3)。生後9カ月で心臓のポンプ機能が低下する難病「拡張型心筋症」と診断された。補助人工心臓をつけたが、脳梗塞(こうそく)や脳出血を引き起こしやすく、根本治療には心臓移植が必要だ。
国内で適合する臓器移植提供者(ドナー)を待ったが、2年ほどたっても現れなかった。そこで、米国での移植手術を目指すため、両親は友人らと「おうちゃんを救う会」を発足した。
米国での移植手術には保険適用や公的な助成はない。また、補助人工心臓を装着しているために一般の飛行機に乗れず、専用機のチャーター費も必要だという。必要経費は約3億5千万円。同会のメンバーは昨年9月から週末などに街頭で募金活動を続けた。
ようやく目標の半額ほどが集ま…