猫が暮らしやすい新築住宅を埼玉県蕨市の不動産会社「第一住宅」が売り出す。天井近くで部屋を一周できるキャットウォークなど様々な仕掛けがあるこの住宅の建設を進めたのは3月に38歳で社長に就任した鈴木智恵さんだ。
川口市芝下3丁目4の21にあるこの住宅は3階建て4LDKで延べ124平方メートル。玄関前のコンクリートに猫の足跡がさりげなくあり、猫のシルエットのライトなどが愛猫家の心をくすぐりそうだ。
各部屋の戸にはキャットドアがあり、猫が自由に出入りできるが、玄関の内側には格子戸があり、猫が外に飛び出すのを防ぐ。
猫と一緒の時間を過ごすのは2階の18・2畳の居間。キャットウォークが張り巡らされ、そこに上る階段が3カ所に。猫が外を見ながらくつろげるカウンターも用意されている。
猫がかじらないようにコンセントも高めに設定したり、トイレを置く場所には換気扇を設けたりするなど細かい工夫がされている。
鈴木さんは、生まれた時から猫がそばにいて大好きになった。20代に心のバランスを崩した時も、その時に飼い始めた2匹の猫が癒やし支えてくれた。猫を預かるキャットシッターの資格もある。父から会社を譲り受けた時、独自性を出そうと思い、考えついたのが猫仕様の家だった。
今回の住宅は自分の考えだけでなくペット共生マンションの適正化推進ガイドラインやねこ検定の監修者の清水満さんの意見も取り入れた。
猫にとっては至れり尽くせりの家だが、鈴木さんは「愛猫が幸せに暮らすことができれば飼い主も楽しく生活できるんです」と笑う。今後も同様の住宅を販売する計画という。
販売価格は3980万円(税込み)。11、12日の午前10時~午後5時に見学会を開く。問い合わせは同社(048・447・6900)へ。(堤恭太)