埼玉県こども動物自然公園(東松山市)は10日、コアラのハニー(3歳)が6月に産んだ赤ちゃんが、行方不明になったと発表した。園は、母親のおなかの袋の中で死んで体外へ落ちたか、何らかの原因で袋から落ちて死亡したとみて探している。ハニーの赤ちゃんは出産の一部始終が鮮明に動画撮影され、国内初めての例とされていた。
7月27日まではハニーの袋が動いているのが観察されていた。8月1日に動きが確認できなくなり、4日と6日に袋の中を調べると、赤ちゃんがいなくなっていた。ハニーはふだんと変わらない様子で、健康状態に問題ないという。
園によると、コアラの赤ちゃんは生後1カ月余りだと500円玉くらいの大きさで、まだ胎児と言っていい状態。袋の中で母親の乳首に吸い付いたままで過ごし、袋の外では数時間も生きられないという。
コアラは、カンガルーとは逆に袋が下向きになっているため、赤ちゃんの体力がないと外へ落ちてしまうことがある。園では、初産だったハニーを含めコアラの出産例が47回あるが、6回は後に袋から赤ちゃんが落下して死に、4回は袋の中で死んでしまったという。(西堀岳路)