ワンセグ放送を受信できるカーナビゲーションを車に付けた場合、NHKと受信契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。森田浩美裁判長は「受信設備の設置にあたる」として、義務があると判断した。NHKによると、受信契約の義務をカーナビで認めた判決は初めてという。
放送法は、NHK放送の受信設備を「設置」した場合、「放送の受信を目的としない」ケースを除いて契約義務を定めている。裁判を起こしていたのは栃木県の女性で、「車を保管している自宅にはワンセグ電波が届かないうえ、カーナビを買った目的も放送受信ではなくて道案内だ」と主張し、契約の義務がないことの確認を求めていた。
判決は、放送法の「設置」とは「受信設備を使用できる状態に置く」ことを指し、自宅近くに移動すれば電波が届くようになる女性は「設置者」にあたると認定。テレビは見ないという主張も「主観ではなく、客観的に認められないといけない」として退けた。
ワンセグの携帯電話については、NHKと受信契約を結ぶ義務があることが最高裁で確定している。(新屋絵理)