香川県が情報発信のために作ったツイッターなどSNSのアカウント100件のうち、1割弱の8件は1年以上にわたって何も発信していなかったことがわかった。調査した県監査委員は「閲覧者にマイナスのイメージを与えかねない」と指摘し、見直しを求めた。
監査委員は2018年8月から19年2月、県の各課や教育委員会、県警、公共施設などを調査。報告書によると、SNSはツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ブログ、ラインの5種類で計100アカウントあった。
このうち毎日発信していたのは、高松市の栗林公園にある物産館「栗林庵」のツイッターなど3件。週1回以上の発信は40件だったが、月1回以下にとどまるのも36件あった。
なかでも、1年以上にわたって発信がなかったのは8件。薬物禁止を呼びかけるツイッター、子ども政策課の縁結びブログ、若手の漆芸作家の作品を紹介するインスタなどだった。
このインスタは、「香川漆芸の知られざる魅力を広く発信していきます」と書きながら、1度も投稿していなかった。文化振興課の担当者は「16年に開いた漆芸作家展のホームページを業者が作った際、インスタも開設したが、SNSでの展開は予定していなかった」と説明。3月にアカウントを削除した。
一方、パスワードなどを定期的に変更していないアカウントが69件、なりすましや乗っ取りを回避するための監視をしていないアカウントが16件あった。報告書は「リスクに対し、無防備な状態」と指摘した。(多知川節子)