青色発光ダイオード(LED)の材料である窒化ガリウムを使い、発熱が少ない省エネな半導体を開発することに、ノーベル物理学賞を受賞した名古屋大の天野浩教授らが成功した。22日、この半導体を組み込んだ電子部品を試作できる施設を大学内に稼働させたと発表した。現在ある高性能な半導体より約10%省エネという。天野さんは「わくわくする成果。産業界にアピールできる」と話した。
名古屋大と名城大などのチームは2030年ごろの実用化を目指している。発熱が少ないことで、将来的には水で冷やしているモーターなどが空冷で済むようになり、システム全体でさらに省エネが達成できる可能性があるという。学内で稼働した1千平方メートルの施設で企業が電子部品を試作することもでき、未来の電気自動車や電動飛行機の開発につなげたいとした。(合田禄)