80歳以上でも、4人に1人は外出時に自分で車を運転している――。そんな実態が、内閣府の調査で明らかになった。高齢者が運転する車の事故が社会問題になるなか、当事者には車が日常的な交通手段になっている実情が改めて浮き彫りになった。6月に閣議決定される今年の高齢社会白書に盛り込まれる。
内閣府が昨年11~12月、高齢者の生活環境などに関する調査を実施。60歳以上の男女1870人から回答を得た(回答率62・3%)。外出時の交通手段(複数回答)は、「自分で運転する自動車」が56・6%で最も多く、「徒歩」56・4%、「自転車」22・4%などだった。
外出時に自分で車を運転する人は、70代後半で45・7%、80歳以上で26・4%いた。今後の運転については「一定の年齢でやめようと思っている」が40・4%で最多だったが、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず続けようと思っている」と答えた人も11・5%いた。
白書では「高齢になるほど認知機能の低下等により運転が難しくなる。高齢者の社会参画を進めようとすれば、外出手段の確保の重要性はより高まる」などと指摘することにしている。(石川春菜)