金沢市の屈指の夜景スポットで今月、たばこの不始末が原因とみられる山火事があった。夜景や星空を楽しむ人たちが大勢訪れる人気の場所だが、近くの施設は長年、たばこやゴミのポイ捨てに悩まされてきた。あわや大惨事の事態を受け、施設は対策をとった。全国でもたばこの火事は後を絶たない。
「なんで煙が出とるんか」
5月9日午前5時20分ごろ、金沢市のキゴ山(546メートル)の中腹にある施設に車で通勤していた中川啓さん(71)は驚いた。斜面から灰色の煙がたちのぼっていた。「あっという間に枯れ木が燃えていった」
焼けたのは、金沢市の「キゴ山ふれあい研修センター」こども交流棟から北東約100メートル、展望広場のすぐ脇の斜面だった。広場は駐車場としても使われている。センターは自然体験学習やスポーツ合宿などができる教育施設。交流棟には当時、富山県の中学校の生徒ら約80人が泊まっていた。けが人はなかったが、センターの直江義弘所長(64)は「気づくのが遅かったら大変なことになっていた」。
金沢中署によると焼失面積は約1千平方メートル。同署はたばこが原因とみている。
展望広場は金沢市街の夜景を楽…