川崎市多摩区の路上で19人が殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=直後に自殺=の自宅から過去の殺人事件の事例を集めた雑誌2冊が見つかったことが捜査関係者への取材でわかった。神奈川県警は、事件との関連を慎重に調べている。
死傷事件容疑者、近隣トラブルも 川崎市内に住む51歳
捜査関係者によると、川崎市麻生区の岩崎容疑者の自宅を29日に殺人容疑で捜索し、押収したという。10年以上前に発行された雑誌とみられ、海外の大量殺人事件の事例などを取り扱った内容だという。県警は現段階で、雑誌が襲撃に結びついたとはみていないが、引き続き関連を調べる。
捜索では雑誌のほかに、「正」の字がいくつも書かれたノートや刃物の空き箱など計数十点を押収したものの、動機の解明につながるようなものはなかった。検索履歴や交友関係の記録が残りやすいパソコンや携帯電話も自宅からは見つからなかったという。
岩崎容疑者は28日朝、刃渡り約30センチの柳刃包丁を両手に持ち多摩区のスクールバスのバス停付近で、小学校の児童や保護者を次々と刺したとされ、小学6年の栗林華子さん(11)と外務省職員の小山智史(おやまさとし)さん(39)が死亡、児童16人と保護者の女性(45)が負傷した。