菅義偉官房長官は9日、牛肉や豚肉の輸出事業を行う宮崎県都農町の食肉加工処理施設を訪れ、農産品の輸出に関する行政手続きを迅速化していく考えを示した。政権は農林水産物の輸出拡大をめざしており、世界市場に国産ブランドを売り込み、年内の「輸出額1兆円」の達成を狙う。
「世界で人気の和牛がここ宮崎の地から世界市場に輸出され、我が国の農産品輸出のモデル的役割を果たすことを期待したい」。視察後、菅氏は記者団にこう語り、改めて輸出拡大を進める考えを表明した。
菅氏が視察したのは畜産加工・販売会社「ミヤチク」(同県都城市)の新都農工場。3月に建て替えを終え、輸出拡大に向けた設備に一新した。高い衛生基準が求められる欧州連合(EU)の輸出に対応できる設備を備えているのが特徴で、今年中にEUへの出荷を始める方針だ。
菅氏はマスクに白衣姿で工場内…