ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(82)が11月下旬に訪日し、天皇陛下と会見するほか、被爆地の広島や長崎を訪ねる方向で最終調整していることが日本政府などへの取材でわかった。日本滞在は4日間を想定し、東京ドームでのミサを予定している。訪日が実現すれば、1981年の故ヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶりとなる。
フランシスコ法王は約12億人の信者を抱えるカトリック教会のトップで、2013年に就任した。87年にも訪日したことがある。「核のない世界」とともに「死刑廃止」を提唱。昨年には死刑に関するカトリック教会の教義の表現を、「排除されない」から「許容できない」に変更した。訪日中に、こうした考えを発信する可能性がある。
日本政府関係者によると、法王は11月23日から3泊4日を軸に訪日を調整しており、天皇陛下や安倍晋三首相と会見する見通しだ。法王は修道会「イエズス会」に所属し、かつては宣教師として日本に渡ることを希望していた。長崎には同会の会員らが16世紀末にキリシタン弾圧で殉教した歴史があり、強い関心を抱いているという。
また、ローマ法王庁(バチカン)や日本の教会関係者によると、福島第一原発事故の避難者や死刑廃止を訴える団体関係者との面会も検討しているという。