鮮やかな黄色やだいだい色の花を咲かせる「マリーゴールド」の根から出る物質が土壌中の害虫「線虫」を攻撃する仕組みを明らかにしたと、中部大学のチームが発表した。物質は線虫の表皮から浸透して攻撃していたといい、チームは「自然由来の新たな農薬開発につながる可能性がある」としている。
植物の根に入り込んで栄養を奪う「線虫」は害虫として知られ、土壌中の線虫を減らす効果を持つ植物は「対抗植物」と呼ばれている。マリーゴールドでは、根から出る物質「αターチエニル」が関わっていると推測されていたが、詳しい攻撃方法が明らかではなかった。
中部大の長谷川浩一准教授(応用昆虫学)らのチームは、線虫に対してさまざまな濃度でこの物質を与えた。花壇などでの根の周辺とほぼ同様の濃度に上げると8割近くが死んだ。それ以上の濃度では、ほとんどが死んだという。
線虫は通常、口を閉ざして硬い…