京セラとソニーとライオンは3日、歯にブラシをあてると音楽が聞こえる歯ブラシ「Possi(ポッシ)」を共同発表した。親による仕上げ磨きを嫌がる子供に楽しんでもらえるようにして、親の負担軽減をねらっている。
発案は3児の父である京セラ社員。骨伝導技術を使い、ブラシが歯にあたるとヘッド部分の振動が歯と頭の骨に伝わり、耳に音として届くしくみだ。音は子供にしか聞こえない。「子供がすぐに気に入り、親は心ゆくまで歯を磨いてあげられるようになった」
音楽データの電気信号を振動に変える京セラの技術を活用。スマートフォンやテレビと付属のケーブルでつなげ、好きな音楽をかけることもできる。
開発にあたり、ソニーが社外向けに展開する新規事業支援プログラムを使い、製品化への助言を受けた。ライオンは歯ブラシづくりのノウハウを提供した。3社が協力し、企画から9カ月で発表にこぎつけた。
ネット上で資金を集めるクラウドファンディングで2千万円を募って需要を探り、商品化を考える。決まれば出資者にポッシを届け、商品化できない場合は全額返金。出資は専用サイト(
https://first-flight.sony.com/pj/possi
)から。9月3日までで、想定価格は替えブラシ3本つきで1万7500円。(小出大貴)