中欧チェコのバイク旅行家ドミニカ・ガウリチコバさん(26)が先月、排気量125ccのホンダ・スーパーカブに乗り、日本一周の旅に埼玉県ときがわ町を出発した。すでに33カ国、計約6万キロを様々なバイクで旅した。4~5カ月かけ、同町へ戻ってくる予定だ。
「とにかくバイクが好き」で、13歳でモトクロスバイクに乗り始めた。19歳の時には「道がつながっている限り乗り続けたい」と、35日かけてスペインを往復。その後、北欧各国、ポーランド~ロシア~カザフスタン~キルギス、スクーターで南米8カ国、50ccのチェコ製バイクでオーストラリア~インドネシア~タイなどを巡った。
野宿が基本で、ボリビアでは高地の雪にはばまれ、コロンビアではナイフで脅されカメラを奪われた。カザフでは警察官にしつこくお茶に誘われたことも。
計画は立てず、行く先々の人たちと交流しながら、次の目的地を決めるのがスタイル。旅ごとに乗り換えているバイクについてリポートしたり、旅行記を書いたりして費用を得ている。今やチェコのバイク界では知られた存在で、スーパーカブも現地のホンダ経由で提供された新車だ。
南米旅行記を執筆中、「全然違う文化に触れたい」と、日本行きを思い立ったという。外国人旅行者に人気がある東京・池袋の貴美旅館をネットで見つけて予約したところ、経営者の湊(みなと)貴三郎さん(67)もバイク愛好家でサポートを申し出た。来日後は、湊さんの自宅があるときがわ町で準備を整えた。
「日本は経済が発展しているのに、豊かな自然もいっぱいあるのがすてき。でもヘビがいたのは気持ち悪かった。チェコで見たことないから」と英語で話すガウリチコバさん。日本語はほとんどできない。「私はチェコでは小柄。小さな女性が、こんな果敢なことに挑めるんだと伝えたい」
6月9日に出発後は富士山を見に行き、雨天の4日現在は大阪で「お好み焼きを食べながら」天候回復を待っているという。
6万人のフォロワーがいるというフェイスブック(
https://www.facebook.com/DominikaNaCeste/
)やインスタグラム(
https://www.instagram.com/dominikanaceste/
)にほぼ毎日、写真や行動をアップしている。(西堀岳路)