ブリに記録計や標識を取りつけて回遊調査をしている日本海区水産研究所(新潟市中央区)が、こうした装置がついたブリを捕らえた場合は「捨てずに連絡を」と呼びかけている。魚体ごと買い取るという。担当者は「研究には漁業者や釣り人の協力が必要」と話している。
同研究所は、ブリの回遊ルートや水温などのデータを集めるため、5月下旬に石川県珠洲市で147匹に標識と記録計をつけて放流した。背中にオレンジ色の2本の標識があり、記録計は腹部に隠れていて、15センチ程度のケーブルが外に飛び出ている。標識だけつけたブリも47匹放流した。
特に大型のブリは夏にかけて日本海を北海道まで北上した後、秋から冬にかけて東シナ海まで南下する個体もおり、全国各地へ移動しているとみられる。また、日本海から津軽海峡を越えて太平洋側へ向かうブリが増えている可能性もあり、回遊ルートを含めた生態を明らかにすることで、適切な資源管理につなげたいという。
魚体がなく、記録計と標識だけ手元にある場合でも、着払いで同研究所に配送してほしいという。担当者は「できれば147匹の半数は回収したい」。
連絡や問い合わせは、同研究所(025・228・0536)へ。平日のみ受け付けている。(岩波精)