グローバルホーク
インドが無人偵察機「グローバルホーク」の導入を見直す考えを打ち出したのに続き、日本政府も2021年に「グローバルホーク」3機を配備する計画を撤回するかも知れない。日本政府は米側と条件交渉を重ねたうえで契約締結に至った経緯があり、この時期の突然の撤回は外部の憶測を呼ぶものだ。外国メディアは日印による「グローバルホーク」導入の相次ぐ撤回の大きな理由として、巨額の調達費だけでなく、同機の生存性や実用性の問題を指摘している。(文:張寧。中国国防報掲載)
■生存性の弱さ
グローバルホークは高空を長時間飛行する無人機であり、合成開口レーダー(SAR)を搭載し、最大航続時間は40時間を超え、主に情報監視・偵察任務を遂行する。当初日本はグローバルホークを朝鮮及び日本周辺の島嶼の監視に使用し、防衛警戒を強化する計画だった。だが2019年6月に米軍のグローバルホーク1機がイランで撃墜されて以降、日本はその生存性の致命的弱点に気づき始めた。グローバルホークはステルス機能を備えず、弾薬も搭載しないため、現代の先進的対空ミサイルシステムの攻撃を受けやすい。日本側は、グローバルホークが海洋監視には向いていないと考えるようになった。日本の専門家は「我々はこれほど高価な無人機を撃墜の危険にさらすわけにはいかない。これらの無人機は海上監視・偵察任務の遂行には向いておらず。将来余り大きな用途はない」と指摘する。
■コストの上昇
日本政府は2014年、グローバルホーク3機の導入について510億円の予算を計上した。だが2017年に米側は突然約23%の価格引き上げを日本に通知した。このような一方的な価格吊り上げ行為に、日本が身を引き始めるのは避けられなかった。また、日本が導入計画の見直しを打ち出したのは、ちょうど米空軍がグローバルホークの2つのモデル(ブロック20とブロック30)の退役方針を打ち出した時にあたった。日本側は、両モデルの退役が関連装備の生産中止を意味することをよく分かっている。その時には両モデルを保有しているのは世界で日本と韓国だけになり、維持コストが高騰して日本が「好い鴨」にされるのは必至だ。
■米国は不快感
グローバルホークの導入を撤回した場合、日本が「対外有償軍事援助」に基づく武器調達計画を見直すのは、「イージス・アショア」導入の撤回に続き2度目となる。日本メディアは「対外有償軍事援助」制度には価格の不透明性等の問題があり、日本側の不満が募る事態を招いたと指摘する。日本メディアは無駄を減らし支出を削減するためだとしているが、日本政府の唐突な購入計画撤回は米国との間に不和を生じさせるかもしれない。トランプ大統領は武器の大量輸出を最初の任期の成果として大々的に宣伝してきた。日本政府による高額装備の購入計画の相次ぐ撤回が、トランプ政権にとって痛打となることは間違いない。米軍関係者は以前、イージス・アショア配備計画の突然の撤回発表について日本政府の説明が十分でないことに「同盟国間で相手国に想定外の事をするのは良い事ではない」と不快感を示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月24日